ベースアップ等支援加算とは?

2023.08.22

コロナ禍が介護業界にもたらした影響は数え切れませんが、その中の1つとして離職率が上がってしまったという問題があります。

離職率を下げるためにも介護職員の月額の賃金を上げる必要があると考えた国は、2022年の2月〜9月の間「介護職員処遇改善支援補助金」という形で介護職員の収入を9,000円引き上げました。

2022年10月にはこの補助金が引き継がれ「介護職員等ベースアップ等支援加算(通称ベースアップ等支援加算)」という制度ができました。

介護職員処遇改善支援補助金」では補助金が交付されていましたが、新しい制度のベースアップ等支援加算は「介護報酬の加算で介護・障害福祉職員の収入を月額平均9,000円相当引き上げる」という部分が異なります。

事業所の人員不足改善のため加算によって賃金を上げることは効果的です。

しかしこのベースアップ等支援加算は全ての事業所がもらえるわけではありません。

そのため今回はベースアップ等支援が加算される要件について紹介したいと思います。

 

ベースアップ等支援加算のための要件

 

その1 処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのいずれかを取得している事業所であること

現在処遇改善加算の対象となっている事業所でないと加算を受けることができません。

処遇改善加算って何?という方はこちらの記事で紹介しています。

こちらの処遇改善加算はⅠ・Ⅱ・Ⅲのどれかを取得していれば問題ないので、要件は易しくなっています。

 

その2 加算額の3分の2は介護職員等の「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」のために使用すること

加算額の3分2以上は介護職員等のために支払うことが要件となります。

要件さえ満たせば残りは介護職員以外にも配分することができます。

 

その3 ご利用者様の負担が発生するため重要事項説明書を再締結する。

介護職員処遇改善支援補助金と違い、ベースアップ等支援加算は介護報酬で対応するためご利用者様に負担が発生します。

そのため、ベースアップ等支援加算については重要事項説明書の記載を変更する必要があり、算定前には利用者へ説明をしなければなりません

 

「ベースアップ等支援加算」は「処遇改善加算」や「特定処遇改善加算」と異なる加算となっており、重複して加算ができます。

申請にはベースアップ等支援加算計画書の作成が必要となり、無事に加算が認められると介護職員一人当たりに9,000円の加算を取得することができます。

加算を受けることで職員の給料が上がりモチベーションのアップや離職率の低下が期待できると共に、新しい人材募集の際にはアピールする事が可能です。

 

おわりに

「処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」「特定処遇改善加算」は三階建て構造となっており、全て加算を受けることで大幅な賃金アップとなります。

処遇改善加算と特定処遇改善加算について知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

加算制度を上手に利用することで人手不足の介護業界での人材確保が効率的にできるといいですね。